大判例

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東京高等裁判所 昭和33年(う)2334号 判決

被告人 関口三治

〔抄 録〕

売春防止法第十二条による処罰の対象は、その文理自体によつても明らかなように、単に売春を行う場所を提供した者ないしはそうした場所を提供すること自体を業とした者を処罰の対象としている同法第十一条の規定とは異り、苟くも婦女を自己の占有若しくは管理する場所又は自己の指定する場所に居住させ、これに不特定の相手方との情交による対償を受けさせること自体を業とした者つまり売春をさせること自体を仕事として反復継続した者であるかぎり、たとえその都度の売春行為自体が当該婦女の完全な自由意思にかかるものであろうと、業者の積極的な要求ないしは勧誘によるものであるとを問わず、又その業が業者の本業であると、副業ないしは従たる業であるとを問わず、これを処罰の対象とする趣旨であると共に、売春行為者の得た売春対償額の業者に対する支払額の多寡によつて右による犯罪の成立に消長のあるべきかぎりでないことは勿論、たとえ、現実に行われた売春がただの一回にすぎなかつたとするも、苟くも、それが、右の様に婦女を居住させてこれに売春をさせることを仕事として反復継続する意思をもつてさせたものである以上同条にいわゆる「これに売春をさせることを業とした者」ということができ、原判示婦女等の原判示売春行為自体が、同女等を被告人の占有ないしは管理している場所に居住させこれに売春させること自体を業としたことの一環として行われたものであることの証拠上明らかな本件において、被告人は到底売春防止法第十二条所定の罪責を免かれ得べきかぎりではない。

(三宅 河原 下関)

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